title2.gif
                               

vol.20

 渡米するたび、なにかしら物知りになって帰ってくる。
 物知りといっても人に自慢するほどのことでもなく、「アメリカ人はこんな生活をしているんだ」とか、「安くておいしいカフェを見つけた」とか、・・・・・・
 でも逆に、何でだろう?何なんだろう?と疑問に感じながらも、いまだ解決してないこともある。
 今回は、数年にわたり胸の奥底で眠り続けていた未解決問題をお話したいと思う。
◆モ−テルの人◆
 宿泊先は毎度のことながら、お手ごろ価格のモ−テル。お手ごろ価格といっても、朝食をフリ−で食べることができたり、コ−ヒ−だけ自由に飲ませてくれたり、そのモ−テルによってサ−ビスはさまざま。でも、今回はサ−ビスの違いではなくて、そこにたずさわる人々(オ−ナ−)に???なのだ。
 私たちは、1度の渡米でニュ−メキシコやアリゾナと、宿泊先を転々と変えながら移動する。そして、チェックインのたびに、各モ−テルのオフィスに入ることとなる。するとなぜか、モ−テルの受付にいるのは、インド系のようなアラブ系のような人たち。
 カウンタ−の奥の方(多くの場合、自分の家が奥にあるようです。)からはカレ−のようなスパイシ−な香りが漂っていたり、どこかの国の王様のような偉そうな人の額縁写真を飾っていたり、大きな鳥カゴにでっかいきみどり色のオウムを飼っていたり。一瞬「ここはアメリカ?」と錯覚に陥りそうなくらい。
 いままでに、いろんな街のモ−テルを利用してきたが、同じ系列のモ−テルに泊まってるわけではない。ほとんど飛び込みで宿泊先を決めている。だから、モ−テルの名前も別々。なのになぜ、モ−テルの経営者は、インド系orアラブ系の人が圧倒的に多いのだろう? かといって、街でそのような人を特別多く見かけるわけでもない。う〜ん、ナゾだ。
◆道路の十字架◆
 アルバカ−キやサンタフェあたりのハイウェイを走っていると、道路の脇や中央分離帯に、きれいな花のリ−スのかかった小さな十字架をよく見かける。かわいらしいリ−スが殺風景なハイウェイに鮮やかさを添えているようで最初の頃は目の保養にしていた。しかし、あまりにも多いので、「もしかして、この十字架はお墓?・・・
 そういえば、ハイウェイには、いろんな動物の死体が転がっている。1番多いのが犬の死体。私はてっきり、その犬の家族または日本でいう保健所の人が犬のお墓を建ててるものだと、何年もの間思い込んでいた。個人的にも犬が大好きなので、こんなかわいらしいお墓を建ててもらって幸せ者だな〜と思っていた。 しかし、「この考えはもしかしたら間違い?」と、ある光景を見て一変した。
 そこは、ゆるいカ−ブのかかったところ。そこに合計6つの十字架が並んでいた。もちろん、すべての十字架にはきれいなリ−スがかかっていた。・・・が、よく見ると大きな十字架が2つと小さな十字架が4つあることがわかった。「なんか、大人の十字架と子供の十字架で、まるで家族みたいだな〜」と思った瞬間、ピ〜ンときた。
 今まで犬のお墓だと思っていた十字架は、もしかして本当は自動車事故の死亡現場?
 このことは、まだ誰にも聞いたことがないので十字架の真相は未だ解決していない。
◆ヒッチハイク◆
 法律では、
ヒッチハイクは禁止されているようである。
 しかし、私たちの訪れるインディアンのリザベ−ション周辺では、あたりまえのように、親指をたてた腕を横に向けながら道路わきを歩いている、インディアンの人々を見かける。車を運転しているインディアンの人も、慣れたようにそんな人々を、ひろって車にのせている。インディアンの人々にとって、こんな助け合いは当たり前のようである。そんな風景も見慣れてしまうと、なんて事はない。ヒッチハイクしている人を見かけても、「きっとだれかがひろってくれるだろう。」と思うようになる。
 車で走っていると、いつものように対向車線にヒッチハイクをする人を見かけた。まわりは、だだっ広い土地で、近くには家らしいものは全くない。「誰かにひろってもらえるといいな。」と思いつつ、私は反対方向へ車を走らせた。
 しかしちょっと気になる。この道は、一本道、しかも、近くの集落から結構離れたところである。彼が、あの集落から歩いてきたとなればかなりの距離だ。「きっと、さっきのところまでだれにもひろってもらえず、歩いていったんだな。」そんな事を考えながら、30分後、目的地に到着。その間、一台の車ともすれ違うことはなかった。
 彼は、無事に目的地に着くことができたのだろうか?不思議というより、心配な話し。