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 vol.19 

 インディアンブランケットといえば、ナバホの毛織物を思い浮かべる人が、多いのではないでしょうか。
 ナバホ族の女性が、何十時間何百時間という時間を費やし、織られていくラグやブランケット。一枚織るのに、かなりの手間がかかるので、やはり、高価なものであります。
 アメリカでは、けっこうコレクタ−が多いようで、サンタフェなどのギャラリ−に行くと、たくさん売られています。
 しかし、今回私たちがとりあげるのは、インディアンの人々がつくるブランケットではなく、インディアンの人々に愛用されているブランケット、『PENDOLETONブランケット
』についてお話したいと思います。
 インディアンの人々がつくらないのに、なぜインディアンブランケットといわれるのか?
 それは、100年ぐらい前から白人とインディアンの人々との、交易の品物に、このペンドルトンのブランケットが使われていたからなのです。例えばトレ−ディングポストで、インディアンの人々が狩りでとった動物の毛皮を白人に渡し、代わりに食料やこのブランケットをもらう、というようなことです。

 また、ブランケットに織られているデザインも、インディアンの人々の文化や交流のなかから、生まれているといわれています。
 柄の名前にもなっている、チ−フジョセフやジェロニモも、ペンドルトンのブランケットを愛用していました。
 インディアンの人々が、どのようにブランケットを使っているかというと、一番目につくのが(あくまでも私たちの経験上)防寒用としてです。コ−トを羽織るように、ブランケットを身体に巻き付けて、歩いている姿をみかけます。
 そのため、日本で売られている長方形の毛布タイプよりも、正方形で、周りにフリンジのようなフサフサがついたショ−ルタイプが多い気がします。
 HOPIでダンスを見学した時、やはりインディアンの観客の中に、ブランケットっを羽織っている人を数人見かけました。もっとすごかったのは、SANTO DOMINGOでダンスを見学した時です。観客のほとんどが、ブランケットにくるまっていました。そして、観客だけでなく出場するダンサ−も、細長く折り畳んだブランケットを、肩からぶら下げて出て来るのです。ほぼ全員が、ペンドルトンの宣伝員か?と思うような状態でした。
 またこのブランケットは、財産的価値があり、街のPAWNショップ(質屋みたいなもの)で、インディアンジュエリーと同じように、現金に換えられています。そして、流れて販売される時は、新品とあまり変わらない値がつけられていることもあるのです。
 あるお店で質流れになったペンドルトンのブランケットを見てた時、誰かが近寄ってきました。見るからにお店の人ではなさそう、お酒のニオイがぷ〜んとする。酔っぱらいのナバホらしい人が話しかけてきました。どうやらペンドルトンのうんちくを私たちに説明しています。「これは伝統的なもので・・、歴史があって・・・・」いっこうに止みません。酔っぱらいって、どこの国でもくどいな〜と思いつつもありがたく受け止?目は鮮やかなペンドルトンにいってました。つまり、酔っぱらいまでもが自慢したなる、すばらしいものということ。
 私たちはというと・・・。インディアンの人々同様、ペンドルトンのブランケット愛用者なのです。
 キャンプのお供はもちろん。夜釣りや長距離の車移動の際、ちょこっと車で仮眠するとき。八戸から北海道へ行くフェリ−のざこ寝のとき。考えてみれば、チョットした旅には必ずと言っていいほど、ペンドルトンのブランケットのお世話になっています。クルクルッと丸く巻いておけば、ジャマにならないし枕にもなる。とても暖かくて、頼りになる旅の必需品なのです。 
 2年ぐらい前の冬、町中にはこのブランケットの生地で作られたコ−トの若者を、多く見ることができした。しかし、昨年には・・・・ちょと、寂しい気持ち。アメリカではず−と愛されている、定番的存在。もしあなたも、そんな1人だったら。インディアンの人々同様、ず−と愛用してみませんか?インディアンの気持ちが、すこしは味わえるかも。
 最後に一言、決して私はペンドルトンの回し者では、ありません。