vol.17
私たちには、夏休みも冬休みもありません。しかし、渡米すると必ず買い付け以外に余分に日にちをもうけて気分転換のバカンスを楽しみます。今回はこれまでに訪れた代表的なところのお話と、「またぜったい行きたいな〜」の気持ちを5点満点に表してみました。
◆モニュメントヴァレ−(★★★)
写真や映像などで、誰でも一度は目にしたことがあるだろう。赤茶けた大地とまっ青な空、そしてニョキニョキとそそり立つ、神秘的な形の巨大なbutte。ここモニュメントヴァレ−は、ナバホ族の人々が管理・運営する公園であり聖地でもある。
公園内を見学するには、ガイド付きのツア−で行く方法もあるが、私たちは自分のレンタカ−で公園内に入ることにした。まずは、駐車場あたりで、遠くからモニュメントヴァレ−全体を眺めるのをおすすめする。その後公園内に、突入!公園内は未舗装の道路なので多少の揺れは覚悟。そして、butteが見えてきたら、今度は車を降りて歩いて近づき、下の方から見上げてみよう。また、この公園内で、実際に暮らしているナバホの人々もいるので、私有地には断りもなく立ち入らない事!
テレビなどで、見慣れていたはずの風景だったが、実際にみるモニュメントヴァレ−は、小さな画面にはおさまりきらないほど、広大で巨大だ。平らで殺風景な大草原に300メ−トルぐらいの岩々がそびえ立つ、神秘的な風景。
それと、ここは私に初めてナヴァホブレッドとナヴァホタコの味を教えてくれた記念すべき場所でもある。
◆サンタフェ(★★★★★)
白人、スペイン人、メキシコ人そしてインディアンの文化が交じり合った独特の雰囲気の街サンタフェ。プラザ(広場)を中心に街は広がっていて、たくさんのお土産屋さんが軒を連ね、インディアンジュエリーや魔よけのチリの飾り物などを売っている。また、近隣のインディアンたちがラグを敷き、所狭しとアクセサリ−を並べて売っている風景に出会うこともできる。
サンタフェはまた、芸術の街としても有名である。インディアンものだけでなく、いろんな分野の芸術に触れることができる。街の至る所に、オブジェや絵があり、ギャラリ−・ミュ−ジアムも多い。街全体が、黄褐色のアド−ビ(日干しレンガ造りの建物)スタイルの建物で統一され、まっ青な空・木々の緑とみごとなコントラスである。
サンタフェで過ごす時間は、のんびりとスロ−モ−ションのように感じる。別段、「これっ」といって何をするわけでもない。テラスのあるピザ屋さんやオ−プンテラスのカフェで、食事やお茶をする。そこでは、まっ青な空や道行く観光客、そのひとたちを乗せた観光用の馬車を眺めるだけ。まわりには、異文化の建物が建ち並び、肌でサンタフェの暖かな風を感じられる。
サンタフェという土地がそうさせるのか、本当にの〜んびりできる街だ。
◆エルパソ国境越え(★)
テキサス州エルパソの街は、メキシコのファレスと国境のリオ・グランデ川に架かる橋でつながっている。出入国は、面倒な手続きもなく、72時間以内で国境から18マイル以内なら、行きと帰りにゲ−トでそれぞれ25セントを払うだけ。しかも、エルパソのダウンタウンから、そのまま歩いて国境を越えることができる。
エルパソ側の通りは、メキシコ人相手のお店がたくさん建ち並んでいる。特に目につくのは、洋服、下着、おもちゃ、靴。こんな言い方をすると失礼に当たるかもしれないが、安っぽく派手なものが多い、日本では一昔前に売っていたような品揃えのものだった。
橋を渡る時が来た。料金を支払い、スタ−ト!橋の真ん中辺りに境界線を印す石碑があり、ここを越えると、もうメキシコ。徐々に、ファレスの町並みが見えてくる。
一応、商店街のようだが、シャッタ−が閉まっていたり、開いてたとしてもあんまり物がない。なぜか中古品(?)の眼鏡を数個置いてるだけの店がめだってあった。
目的もなく、「ただメキシコ側にいってみたい。歩いて国境を越えてみたい。」それだけで、メキシコに入った。通りは薄汚く、道行く人に物乞い?なんかをする人がいたりで、あまり良い雰囲気ではない。ほんの数分歩いて橋を渡っただけなのに、なんでこうも違うのかな〜と少し切なくなった。
◆フェニックス(★★★)
「モ−テルの部屋に知らない人が入ってきて、クスリを売られそうになった。」これは、フェニックスに行ったことのある知人の言葉。これを聞いて思わず「ゾォ〜」としてしまった。買い付けを終え、フェニックス入りすると、パッキ−ンと緊張。知らない人が車に入ってこないよう、車のロックもなにげに確かめている。モ−テルも決まり、部屋に行くときも、あたりをキョロキョロして人がいると「あっっっ、マフィアだ!」勝手に思い込み、重い荷物片手に全力疾走。こんな時に限ってエレベ−タ−なしの3Fの部屋。知人の言葉に異常ともいえるくらい敏感になっていた、こんな感じで始まったフェニックス。
フェニックスには、スコッツデ−ルという観光ポイント(レストランやお店がいっぱい並んだ地区)がある。でも、私たちの一押しはロ−ハイド。西部開拓時代の町並みを復元したところで、ちょっとしたメインストリ−トがあり、その両ワキにはギフトショップが建ち並ぶ。そんな穏やかな雰囲気の町も突如物騒な気配に大変身。それは、予告もナシにガンファイトが始まるからだ。そして、ロ−ハイドでのオススメはレストラン。生バンドを聴きながらカントリ−ぽい食事ができるのだ。ここで、感激したのは「♪♪カントリ−ロ−ド、テイクミ−ホ−ム♪♪」の歌が流れたときの事。打ち合わせでもしているかのように、観客みんなが自分の故郷を歌にのせて、サビの部分を歌っていたのだ。これには良い意味での驚きがあった。もちろん、ステ−キもおいしかった!
フェニクスはさすがに、都会という感じ、気候も良く2月でも半袖になれる、椰子の木なども植えられていて雰囲気も良く、知人の言うような、危険はまったく感じなかった。ただ、リゾ−ト地なので宿泊費などが高い、また、モ−テルなどのスッタフもあまりフレンドリ−な感じではなかった。やっぱり、のんびりとした田舎のほうが、私たち向きかな。
◆ラスベガス(★★★★★)
ラスベガスは、結構日本人観光客も多く、ガイドブックもたくさんあるので、あまり語る必要はないと思う。一言でいうとラスベガスは、楽しい・きれい・安全・安い、そしておいしい街!
ストリップと呼ばれるメインストリ−トがあり、その両通りには、テ−マパ−クのようなホテルがズラリと並んでる。カジノにはこわもての警備員さんたちがいっぱいて、とても安心。また、老夫婦で歩いているのがやたら目につく。あるおばあちゃんと少し言葉を交わしたら、彼女はデトロイトの出身で、そこの冬はとても厳しいとか。だから、寒い冬の間は暖かなラスベガスで1人過ごすのだそうだ。ラスベガスはお年寄りに優しい街でもあった。
食事はもちろんバッフェ(食べ放題)。私たちは滞在中、3晩とも、別々のホテルのバッフェに行った。値段もメニュ−もホテルによってまちまち、私が特に気に入ったのは、宿泊先ホテルでもあった「サ−カス・サ−カスのバッフェ!」ここは、3カ所中で一番安く(ラスベガスでもかなり安いほう)、しかもデザ−トが結構豊富だった。でも、さすがに3日連続だと、胃腸の調子が・・・・・。そして、カジノをしながら、サ−カスを見れるのもサ−カス・サ−カスのメリットの一つ。ホテルにより、さまざまなアトラクションもやっている。でも、もう行きたくないのはラスベガス・ヒルトン。ここには、リアルな宇宙人がチョロチョロうろついていて、こわくて迷惑だった。
カジノのほうでは、大損するわけでもなく、儲けるわけでもなく、ほんのちょこっとだけすったかな〜という程度。でも、このラスベガスの街に寄付したかと思えばほんのはした金!!!
でも、今度は勝ちに行きたいな〜
◆ホワイトサンズ(★★★★)
ホワイトサンズは、713kuで奄美大島とほぼ一緒の大きさ。そして、名前の通りそこ一面が真っ白な砂で覆われた純白な砂漠。そこにいると、この世には原色しか存在しないのでは?と錯覚してしまうくらい。真っ白な砂の大地、まっ青な空、サンサンと輝く太陽、その光を受けてたくましくいきている緑の植物、何もかもが、まぶしく輝いている。そして、こんな砂漠にも動物が生きている、ネズミやトカゲは身体を白くし身を守り生きている。
目で見る分には、雪山?と思えるが、実際に砂山の大地に足を踏み入れると、夏の海辺の砂浜と全く変わらない感触だ。雪原のように、誰も歩いてない所を探して、足跡を付けて歩く、すご〜く心地良い。そうしながら歩いていると、なにやら人のものとは思えない動物の足跡を発見。これは、まさしくここに生存する動物の足跡では?野生だから姿を見ることができずとも、足跡だけでも見ることができた事に大満足!!!「一応記念だ、カメラにおさめよう」とすると・・・?????この足跡は、なぜか人の足跡と並ぶようについているではないか。ずっと、ずっと目の先を眺めるとそこには飼い主と戯れるいやにバカでかいイヌキチがいた。足跡は、全てやつのものだったのだ。
これまで、自分の中で描いていた「砂漠」は、歌の「月の砂漠」みたいな、月夜の晩にラクダをひく旅人の物寂しい感じだったり、生きるか死ぬかのサバイバル的なところだった。しかし、ここホワイトサンズは違っていた、真っ白な砂、輝く太陽、まっ青な青空、すべてのものがパワフルで力強かった。そして、そのパワ−を身体いっぱいもらえたような気がする。
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